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2018.3.3-4 上海→北京の夜行列車T110次列車に乗る(第1回)

はじめに

今回の訪中の最大の目的が、夜行列車に乗ることでした。私が北海道に引っ越した頃には札幌駅からは急行はまなす(札幌〜青森)や北斗星(札幌〜上野)が発着していました。特にはまなすは本州に旅行に行くたびにお世話になっていました。(もっとも乗っていたのは自由席や指定席ばっかりでしたがね。)しかし、新幹線の開通とともに過去のものに。

しかし、中国では今でも数多くの夜行列車が走っているという情報を耳にするや、興味は湧くばかり。そして、今回ついに実際に乗ることが出来ました。

切符の買い方

中国の鉄道の切符を日本国内で買う方法は複数ありますが、一番簡単なのはTrip.comという旅行サイトを使うことでしょうか。

このサイトは中国系の旅行会社が運営するサイトですが、中国国内の列車の予約を検索からクレジットカード決済まで日本語でスムーズに行うことが出来ます。決済が終わったら後は現地の駅窓口で切符を受け取るだけ、と非常に便利なサービスです。日本とは大違いですわ。手数料こそいくらか取られますが、その負担を優に上回る便利で見やすいデザインのサイトですので中国に行かれる際はぜひご活用ください。

上海駅にて

地下鉄を乗り継いで上海火車駅にたどり着き、地下鉄の出口を出るとご覧のようなどでかい駅舎が目の前に見えます。この駅舎の中に自動券売機は大量にあるのですが、中国の居民身分証がないと切符は買えないようです。つまり、外国人は使えないのです。外国人が切符の購入・受取を行うことができる有人窓口は正面向かって右手の別の建物の1階にあります。よってまずはそこに向かいます。

窓口のあるフロアに入るとまず、中国ではお馴染みの保安検査がありますが相当に雑なので難なく通過。そのあと窓口に並びます。予想以上に空いていて、どの列にも2〜3人しか並んでいなかったためものの5分足らずで予約した切符を入手することが出来ました。なお、切符の受取には予約した時の予約番号とパスポートが必要です。それらを窓口の人に渡せば後は無言で作業は進行します。

切符を受け取った後はいよいよ駅の中に入ります。ここでもご多分にもれず保安検査ですが、まず切符とパスポートをチェックされますのでパスポートはお手元に。

保安検査を抜けてエスカレーターを上がると待合室とちょっとしたお店が並ぶ光景が広がります。この空間で列車の改札開始で待ちます。要するに飛行機に乗る時とほとんど変わらない手順を踏んでいるのです。並ぶ店はコンビニや土産物屋、チェーン展開しているであろうレストランまで様々。空港みたいな構造の中ですが生活感のある店が多くて、鉄道が人々の暮らしに近いところにある交通機関なんだな、と思わされます。

切符や電光掲示板に示された待合室に入るのに特に切符とかの確認はない・・・つもりでのんきに買い物しつつウロウロしていたらふとこんな光景が目に。
何だこの行列?、そしてなんでまた保安検査?どう見ても数百人は並んでいるであろう行列に流石におったまげます。どこの行き先だろうと案内板を見たら北京行きという表示が。自分が乗る列車でした。どうやら北京行きに限って待合室に入るにも保安検査が必要なようでした。列車に乗るだけで3回も保安検査されるのは参りましたね・・・。乗る前から少し疲れてしまいます。

3度めにして一番しっかり検査している保安検査をおとなしく10分位待って通過すると柵で仕切られた待合室へ。もはや隔離。結構後のほうで入ったので既に座る場所など殆ど無かったのですが一人旅の身軽さでなんとか人と人の間の僅かな空席に収まります。そこでさらに20分位待っていよいよ改札開始。待合室の中の人が一斉に動き出すのはもはや壮観でした。

今回は軟臥を使います。本当は1つランクが下の硬臥を使うつもりでしたが、予約開始日に予約が取れず1ランク上げることに。構造としては2段寝台の4人個室。そして、コンセントがあってスマホやタブレットの充電も出来るなかなか快適な空間です。

し か し、相部屋です。今回の旅は軟臥も満席だったらしく私のいた部屋もベッド4つが全て埋まりました。しかも私以外全員女性。気まずい事この上ない。中国の夜行列車は性別ごとに予約を振り分けることまではやっていないようなのですが、こんな露骨な形でそんなことを実感させられるとは。しかし、同室の方はそこまで気にされていなかった様子で、気さくに話しかけてくれたので超片言の中国語とジェスチャーでなんとかコミュケーションを取った次第です。

発車後

 ほぼ定刻に上海駅を発車するとすぐに列車員が検札にやってきます。そしてそこで切符とプラスチックの板の換券票を受け取ります。これは下車直前に再び必要になるので無くさないようにすべきでしょう。

列車はすでに夜の景色となった上海の市街地を抜けて最初の停車駅・蘇州へ向かいます。 すぐに車内販売も始まってカップラーメンや食堂車製造の弁当などが売られますが、誰も買っている気配はありませんでした。
かく言う私も乗車前に購入したカップラーメンを食べます。統一ブランドの香辣牛肉面。現地のコンビニではよく見るカップラーメンです。中国の鉄道車両には必ずあるとされる給湯器から注いだ熱々のお湯で食べるカップラーメンはかなり美味しかったですね。しかもカップの中にフォークも入っているのでこう外で食べるのにも優しいですし。ただ、揺れる車内ということで溢れるかどうかヒヤヒヤ者だったのも事実ですが。
ご飯を食べた後はボケーっと外を眺めたり音楽を聞いたりします。外を眺めたところで市街地の近く以外は真っ暗なので特になにか見えるわけでもなく時間を持て余します。いかんせん列車内で本をあんまり読んでいるとよってしまうことが多い体質なので、なかなかこういう時には暇つぶしに苦労します。

列車は途中何駅か止まったり何度か時間調整や待避で運転停車した後に夜10時頃に南京駅に到着します。ここで10分位待つのですが、外からは妙に聞き覚えのあるメロディーが何回か・・・。どう聞いても東武線なんですよねえ。南京はいつから埼玉になったんだよ・・・。
 
南京を出るとすぐに長江の長い長い橋を静かに渡って行きました。このあたりで眠りにつくこととしました。(続く)

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