所用があって札幌から埼玉県に行くことになったつい先日。普通は羽田空港か成田空港まで空路を使いたいところですが、私が移動する日は札幌で複数のイベントが重なったために航空便に 空席がほぼなかったのです...。だが日程は変えられぬ、 ということで特急と新幹線を乗り継いで移動しました。それでは。
第1走者 スーパー北斗10号函館行き
札幌10:44→新函館北斗14:12
指定席に座って、「椅子は思ったより大きく座り心地がいいな」 とか「JR北海道の車内誌の裏表紙広告がJALか。 共存共栄だなー」 とかいう感想を抱きながら早々にくつろいでたら轟音とともに札幌 駅を発車。ここから南千歳までの区間は頻繁に通ってきましたが、 優等列車で通り抜けるのは数年前に急行はまなすのB寝台に乗った 時以来。月並みな言葉ですが、 普段から見る景色も乗っている列車が変わるだけで違った感情で見 えますね。 それこそ上野幌と北広島の間の森林を抜けるあたりなんて、 いよいよ札幌を離れた感覚を味わいましたよ。 普段はまだ見知った場所にいるという感覚なのにね。
札幌から35分ほどで南千歳に着くとまとまった数の人が乗ってき ます。雰囲気的に新千歳空港に降り立った人達でしょう。 もちろん多国籍な顔ぶれ。 北海道に外国人観光客がこぞって訪れるようになって何年も経ちま すし、 個人で手配して道内を観光する層も増えてきているのでしょうか。
南千歳から先はおひさしぶりと挨拶しなければいけない区間。 急行はまなすがあった頃はよく通った路線ですが、 当然のごとく真っ暗闇な景色しかそこにはありませんでしたし、 まず私に見えていたのは夢の中の世界です。 昼の姿を拝見するのは殆ど初めてかもしれません。
苫小牧を過ぎると雲を被った樽前山が車窓のお供です。 樽前山の向こうの支笏湖に行こう行こう思ってまだ行けてないな。 さらに進んで、 東室蘭から先は山と海の距離がさらに狭くなったような車窓になり ます。トンネルをくぐることも多くなりますし、 反対側を振り向けば噴火湾がずっと寄り添っています。 こっち側に座ってれば白鳥大橋も見えたのかな? 最近は飛行機の中からしか拝んで無かったので、 ぜひその姿を見たかったです。 リベンジに乞うご期待といったところで。
礼文華峠や静狩峠といった噴火湾すぐそばにある山々を潜り抜けて しまえばそこはもう渡島管内。 だいぶ遠くまで来たという感覚です。そういえば、 これらの山々の中に豊浦町が維持費を出してまで延命させた著名な 小幌駅を通過しています。 もちろん車窓からはトンネルとトンネルの間の一瞬しか見えません でしたが、 でかい犬連れた人がホームにいたように見えたのは気のせい... ?
長万部あたりからしばらくの景色と言いますと、 少しひらけた土地に農地と非電化複線の線路とポツポツと立つ低い 建物、 通過する駅には大部分に雑草が生えたホームと鄙びた駅舎や構内踏 切、あとは少し背の高い草木が生い茂り...。
私はこの景色に雄大さよりも一種の哀愁を感じてしまいました。 そして、この景色を見ていると、 気づいたら色々と思い出に耽ってました。というのも、 前日まで数日間友人たちと久々にあっていたものでして。 彼ら彼女らと他愛のない話をする中でやはり色々思うところもあっ たわけですよ。主に後悔とIfの話ばかりですが...。
堂々巡りになりつつある回想をしているのは列車の運行には何ら関 係なく、スーパー北斗10号は既に森駅を過ぎています。 駒ヶ岳に近づきつつ登り坂登っていく... はずですが私から見えた車窓は駒ヶ岳の反対側、 残念ながらほぼ拝めませんでした。
大沼公園の駅を見えた後に見えてくる沼は小沼。ややこしいけどそこは観光地、きれいな景色で乗客を楽しませてくれます。しかし、大沼公園と新函館北斗の間の所要時間はわずか。あっという間に車内アナウンスが流れてきます。
第2走者 はやぶさ30号 東京行き
新函館北斗14:48→大宮18:38
新函館北斗の駅は札幌から来た特急と東京へ向かう新幹線が同じフロアに発着し、階段を使うことなく乗り換えられる構造になっています。一昔前の新八代駅に改札をつけたようなもんか・・・?(古い)実際、階段の上り下りがなくて楽なことは確かなのですが、改札口は1か所しかないためそこまで歩かなきゃいけないのと、札幌からの特急がついた時にはなんとまだ新幹線は入線しておらず、時間を持て余したのでそこまで便利だったかと言われると首を素直に縦に触れないというのがわたくしの体感です。
ここで新幹線に乗り込んでしまえばあとは大宮まで4時間もかからない程度でたどり着くと聞くと、ずいぶんと楽になったなとは思います。 大宮から函館に行く分には、新幹線は飛行機よりも便利な交通手段かもしれない。一方で車内は空席が目立ちました。それだからこそ直前に指定席を確保できたので私はその恩恵にあずかっているわけだが、
新函館北斗を出て少しすると、左手には函館山が見えてきます。田んぼの向こう側にポツンと飛び出るさまが特徴的だなと。そして北海道新幹線は新函館北斗の手前以外は木古内駅の前後を除いてほとんどトンネル。そのため、北海道新幹線で北海道を離れる人を見送る景色こそがこの函館山とも言えるわけです。連絡船の時代からトンネルの時代になり、そして新幹線に移り変わっても、函館山は北海道の入り口の象徴ともいえる存在なのかもしれないと感じました。
木古内駅を過ぎていよいよ青函トンネルに入りますが、入ったあたりから新青森の手前まで寝ていたので、わたくしは気づいたら本州に上陸していたという印象です。そして、新青森からはどっとお客さんが乗り込んできます。非常にわかりやすい旅客流動の在り方を見せつけられた印象です。
にしても、札幌から大宮まで7時間54分はしんどかった。乗り換え1回だとかえって気分転換できないんだよなあ・・・。まだ東海道線乗り継ぎで東京~大阪のほうがましだわ。